new



路傍に咲く露草とおさげ髪の少女。夏の朝の涼しげな一景です。
鏑木清方(1878-1972)は東京神田に生まれ、浮世絵系の水野年方に入門し、挿絵画家として画業をスタートさせました。日本画では文展、帝展を主たる舞台とし、美人画家として上村松園と並び称されましたが、本人はそう呼ばれることを嫌っていました。清方が理想としたのは、ともすれば絵空事として社会から遊離してしまうような芸術ではなく、我が事として多くの共感が得られるような芸術だったからです。やがて清方は、明治20年代から30年代の人々の生活というテーマに行き着きました。その後明治末から大正にかけて、浮世絵をもとにした近世風俗を描きますが、関東大震災を大きなきっかけとして、失われゆく明治の情景を制作のテーマに加えます。
【国立近代美術館HPより抜粋】
箱はしっかりしてますが段ボール製で使用感がございます。